「資格」「能力」は必要な条件?
職種は大きく分けて制作者・技術者の二つに分けられます。
制作者はプロデューサー、ディレクターなど映像制作業務をメインとした職業であり、技術者はカメラマン、編集マンなど映像素材の作成・加工など専門的な業務をメインとした職業です。
制作者側の方が「資格」や「技術的な能力」を必要としないので、未経験の募集が多い傾向にあります。
しかし、近年は働きながらスキルを習得していく環境が整えられ、技術者の職業でも未経験の募集が見られます。当然、資格や能力があった方が有利ではありますが、未経験でも充分に活躍できる場が広がっています。
また、「プロデューサー」「ディレクター」はテレビ局と制作会社の両方に存在します。テレビ局側のプロデューサー・ディレクターは作品の制作現場に直接関わらず、制作会社との折衝や管理業務が主な仕事になります。
制作会社側のプロデューサー・ディレクターは制作の陣頭指揮をするので、同じ「プロデューサー・ディレクター」でも経験できる職務に違いがあります。
大切なのは「他人」の気持ち
映像業界において、最も大切な能力は「他人」の気持ちになることです。多くのテレビ番組は、シナリオ編集の際に「個人」を「ひとりひとり」と書き換えることで「故人」などと差別化する、難しい言葉や外来語は使わないといった気配りがされています。また、カメラワークにおいても、上から撮る「俯瞰」、正面から撮る「めだか」、下から撮る「あおり」の使い分けがあります。これは、伝えたい状況に応じて効果的なものが採用されています。
『今、視聴者が何を求めているか』は映像業界において大切な観点です。同様に、フリーランスとして働くということはクライアントが求めるものは何かを考えそれを適切に提供することでもあります。
「報酬」の決め方
フリーランスとして会社に常駐する場合はある程度の見通しを立てることができますが、そうでない場合は報酬交渉をしなければなりません。仕事を受ける前にまず報酬について話しておくことで、リスクヘッジすることができます。また、自分の仕事に時給を設定し、働いた時間を掛ける事で自分の希望金額を算出するのも良いでしょう。
例: 1800円/時間×12時間=21600円
その為に、ある程度、業界の相場を知っておく必要があります。例えば、「拘束時間が一日分の場合、シナリオ作成業務は最低でも三万」という情報は予め知っておくと、報酬交渉がスムーズになります。
年齢は関係がある?
前職が映像に関係する仕事で、フリーランスとして働き始めるのが早い方が将来的には報酬も高額になる傾向にあります。
しかし、フリーランスの半分以上は数年間企業に勤め、30代・40代からフリーランスとして働いています。
その次に多い年齢層は20代以下で、「第二新卒」(新卒で入社して三年以内の求職者)からフリーランスとして働くという人が多数です。未経験分野のスキ
ルアップを目的にする人だけでなく、前職で経験を積み、自分の培った能
力を発揮できる場としてフリーランスを選ぶ人も多く見られます。よって、フリーランスにおける年齢は20〜40代が特に活躍できます。